
人形職人とは
日本人形を作るのが人形職人と呼ばれる人々です。
主に木材を用いてひな人形や五月人形を作るのが仕事です。
製造方法は多種多様で、京人形であれば頭師、手足師などと細分化されていますし、博多人形は土練りから始まりますし宮城伝統こけしはろくろを使います。
工程は数十にもおよび人形に命を吹き込みます。
人形本体だけでなく、衣装にも大きなこだわりを持っており、西陣織などの豪華な織物を使うこともありますし、装飾品ひとつにも大きなこだわりを持って製作を行います。
完成した日本人形の佇まいはひとつの芸術品と言っても差支えの無いものとなっています。
実家に行けばひとつくらいは人形があるでしょうが、一体の人形に対してもとても大きなこだわりを持って製作されているのです。
こんな方が向いている
人形職人に向いている人は日本人形に興味がある方や、自分の手で昔のお姫様や武者などの姿を再現させたいと言う方です。
着物ひとつとっても本格的な技術を用いるため、数百年の時を経て現代に一人の人物が蘇ったような感覚が得られます。
ひな人形については1つひとつの部位の作成が分業となっているため、自分が得意な分野を突き詰めて制作が可能です。
地域に応じた作成の仕方もありますし、使われる素材も当然異なります。
人形を作るには本物をしっかりと見ておくことが大切となるため、日頃から人間の観察をしておくことも人形職人としてのスキルを上げるためには大切なこととなります。
人形職人になるには
人形職人になるには特に資格は必要ありません。
ただし、製作に対してはしっかりとした技術が必要となります。
この技術は専門学校や人形教室で学ぶことができます。
これらを経て人形制作会社に入社、あるいは人形師への弟子入りをして本格的な技術を身につけていくことになります。
頭を作れるようになるまでは10年はかかると言われており、根気強く修行を続けることが必要となります。
修行の期間が長いと思われますが、これは大体の専門職に言えることで、人形職人に限って言えることではありません。
この期間をどのように捉えることができるかが人形職人になるためにはとても大切なことなのです。
将来性について
人形職人は伝統工芸のひとつを仕事とする職業であり、近年その数も減少していると言われています。
しかし、高い専門性を有する仕事であることと、ニーズもきちんと存在することから将来性はあると思われます。
長い経験を活かして独立することができれば自身の工房を持つこともできますし、弟子を取ることも夢ではありません。
収入面では恵まれているとは断言はできませんが、夢を持ってできる仕事であるとも言えるでしょう。